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【4月7日】入学式を実施しました。(今日の新宿)

本日入学式を実施しました。



校長式辞はつぎのとおりです。

令和四年度 第七十七回東京都立新宿高等学校入学式 式辞
 
ただいま入学を許可いたしました三百十九名の諸君、入学おめでとう。
諸君は今この晴れの場にあり、これからの新宿高等学校における学校生活に対し希望で胸を膨らませていることと思います。しかし、それができるのは、諸君の努力もさることながら、諸君を常に励まし、共に悩み、共に前に進み続けてくれた、保護者の皆さん、家族、これまで教えをいただいた学校の先生方や友人のおかげであることを、まずは感謝をもって胸に刻んでいただきたいと思います。
また、諸君らが中学校生活を送ったうちの二年間は新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で人々が不安と恐怖におののくとともに、経験したことのない変化の時期となりました。諸君も昨年度は、授業がオンラインになったり、様々な活動が制限されたりするなど不安な毎日を送ったことと思います。そして、きたるべき高校受験に向けていらだちや焦りを感じたりしたのではないかと思います。しかし、諸君はそのような誰もが体験したことのないような苦難に耐え、高い志を維持し、努力することで、伝統ある新宿高校への入学という栄冠を勝ち取りました。諸君は本当にがんばりました。心から敬意を表したいと思います。
しかし、本校への入学をもって満足をしてはなりません。古人曰く「勝って兜の緒を締めよ」と。
さて、諸君が入学した、新宿高校は大正十年、東京府立第六中学校として創立されました。
本年には創立百周年を記念する式典が予定されています。諸君はこの節目の時に、伝統ある本校に入学することになります。
本校は「全員指導者たれ」という創設の根本精神である校是のもと、大正、昭和、平成、令和と四つの時代を歩んできました。
この間、古くは関東大震災や第二次世界大戦、新しくは東日本大震災や一昨年来の新型コロナウイルスの感染拡大など、その時代、その時代の多くの苦難を乗り越え、日本や世界の指導者たるにふさわしい人材を送り出してきました。
今、諸君はこのようは輝かしい伝統を引き継ぐ人材となるべく、スタートラインに立ちました。
ここで、伝統ということについて少し考えてみたいと思います。伝統は学校などの集団や社会において、歴史的に形成・蓄積され、世代をこえて受け継がれたものです。
 本校においては、大正十年に創立されて以来、先ほど述べた校是以外にも、語り継がれている言葉や考え方、行事、歌い継がれている歌があります。これらは単に百年間繰り返されてきただけのことというものではなく、それを繰り返す中で、精神的、文化的な遺産として受け継がれ、本校で学ぶものの支柱をなすものとなっています。
 諸君は、本日、本校に入学することで三万人もの本校で学んだ先輩という一生の財産を得ることになります。社会の中で様々な舞台で活躍する諸君の先輩たちは、諸君が本校で学ぶ中だけでなく、卒業し社会に出たときに大きな力となって諸君を応援してくれることでしょう。そして、たくさんの先輩方と諸君とを結びつけるアイテムが、伝統なのです。諸君が先輩と出会い、語らうとき、ともに聞いた言葉があり、経験した行事があり、同じように歌った歌があることで、同じ学び舎で学んだというつながりが深まり、新宿高校の同窓生という世代を超えた仲間という関係を容易に構築しうるのです。
 そのような意味で、諸君には本校での行事をはじめ、様々な学びや本校の伝統を大切にしていただきたいと思います。
そして、あらためて言わせていただければ、本校の創設の根本精神である校是は「全員指導者たれ」です。
校是である、「全員指導者たれ」を実現するために、本校の教育の柱は自主・自律・人間尊重としています。リーダーとして、周りの人々とともに困難に果敢に立ち向かう努力ができる自主性と、常に自分がリーダーとしてふさわしい知識や行動力があるかを振り返り律することができる自律、そして周りのすべての人々の人格を重んじ、その人たちが最大限の力を発揮できるよう導いていける人間尊重の精神、これらを本校での学校生活の中で磨いていただきたいと思っております。
今、諸君は、入学式に臨み、将来に希望をもって、やる気に満ち溢れていることでしょう。三年間の本校での日々は、伝統に裏付けられた、常に諸君自身の将来のための一日一日であり、勉学に、学校行事に、部活動に、そして人間的成長に、極めて多忙な毎日となるとおもいます。しかし、敢えて諸君に言いたいと思います。並大抵の努力では指導者たるになりえません。ここにいる全員が指導者たるには、全員が指導者にふさわしい努力をし続けていただきたい。本校では、すべてにおいて、貪欲に挑戦し、努力するものが最後の瞬間に笑顔で立っていられると思っています。
さて、本日ご参列の保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。これまで、とりわけ、ここ二年間はお子さんとともに大変な困難を乗り越えてこられたことと思います。あらためて敬意を表します。そして、今、保護者の皆様のおかげで、ここにいる三百十九名の新入生は誠に晴れがましく、決意に満ちた顔で前を向いています。ご列席の保護者の皆様、新入生の諸君に代わり心から感謝しお祝いを申し上げたいと思います。先ほどから、私は、新入生諸君に期待することを縷々お話ししてまいりました。私たち新宿高校の教職員一同は、ここにいる新入生が「全員指導者」たるにふさわしい人材になるよう指導を行っていく努力を重ねてまいりますことをお約束します。本校教職員は教育の実践者、専門家として、新入生諸君の目前の姿だけでなく、三年後に本校を巣立つ時、さらには五年後、十年後の姿を思いいだき、指導してまいります。そのために、時には自主性を促すために突き放したり、自律を促すために厳しく指導したりすることもあると思います。しかし、どのような場面でも、これまで教職員が積んできた教員としての経験や組織力により、常に生徒一人ひとりを尊重し、期待し、育ててまいります。どうぞ安心してお子さんを送り出していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
結びに、今年度の入学式は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様々制限のある中で実施されております。しかしながら、今年度は本校を常に支えてくださっている来賓の方に参列をしていただいております。多くの人が新入生諸君の高校生活のスタートを期待をもって祝ってくれていることを忘れないでいただきたいと思います。
新入生諸君がこれからの新宿高校での学校生活を実りあるものにしていただくことを期待して、式辞といたします。
 
令和四年四月七日
 
東京都立新宿高等学校長 藪田 憲正

 
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