このページはリニューアル前のホームページです。リンク先は存在しない場合があります。現在のサイトへ移動

印刷

第47回入学式(4月7日) 校長式辞(抜粋)

 皆さんは、この野津田高等学校を自ら志望し、本日、晴れて、入学されました。本校に入学するのも「縁」あってのことです。この縁を大切にしてください。縁を大切にするとは、この学校が自分にとって最高の居場所であると信じるということです。皆さんの中には、勉強が苦手だったり、人間関係がうまくいかなかったりという経験をした人も多くいることでしょう。しかし今日ここにできた縁を大事にして、ここを母校とするという強い決意を持って高校生活を始めてください。
 さて、入学にあたり、新入生の皆さんに、これから始まる高校生活で心がけてほしいことを三つお話しします。
 一つ目は、「頑張りきる」ということです。これから、日々の学習や部活動、学校行事、家庭での生活を頑張りきってください。楽なことに流れず、誘惑に負けることなく、誰かのせいにすることなく、頑張りきる。自分を叱咤激励し、自身を成長させるために、頑張りきる。この努力したという事実こそが、自信につながるのです。小説家の井上靖さんは、こう言いました。「努力をする人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」と。希望を語れる人になってください。これからの長い人生で、多少の困難に出会っても、あの時頑張れたのだから大丈夫と、自分を信じてあげられる経験を積んでください。
 二つ目は、「志を抱く」ということです。自分は何をやりたいのか、自分は何になりたいのか、自分は他人のため、社会のために何ができるのか、崇高な目標を掲げてください。そのためには、目の前の場面に飛び込むことが大切です。自分が何を好きで、何を楽しいと感じるかも、まずはその場面に飛び込んでやってみないとわかりません。興味の範囲が小さければ、それだけ選択の幅は狭くなり、結果的に、自分の能力や個性にぴったりと合う「将来」というものに出会う可能性が失われていきます。皆さんには一人一人優れた個性があり、鍛えれば大いに伸びる可能性が秘められています。自分を信じて、自分の可能性に精一杯挑戦し、その優れた個性と能力を開花させてほしいと思います。
 三つ目は「規範意識を育てる」ということです。規範とは、規則の「規」に模範の「範」と書きます。つまり規則を守るということだけでなく、人の模範になるということです。まず、「規則」つまりルールは決められたことですから守らなければなりません。中でも重要なルールは「時間」です。時間はすべの人に平等に与えられた権利であり、動かせない絶対的なルールです。時間という最も基本的なルールを守れなければ社会は成り立ちません。次に規範の「範」つまり模範です。これはルールではありません。いちいち規則には書いていないけれど、人と人とが共に生きていくうえで必要な、一人一人の他者への思いやりと優しさに裏付けされた行動です。これは、やるべきこと、やったほうがいいこと、やってはいけないことという基準を自分の中で育てていくということです。レイモンド・チャンドラーという作家がその本の中で主人公にこう言わせています。「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」と。決められたルールを守るのは当たり前、それ以上に自らの内側からでる規範意識を身に着け、強くて優しい人間になってください。
 新入生の皆さんが、本日より、楽しく、将来への希望に満ち溢れた高校生活を送れるよう、心から祈念しています。
 
令和3年4月7日
東京都立野津田高等学校長 池戸成記
〒195-0063 東京都町田市野津田町2001番地
電話 : 042-734-2311 ファクシミリ : 042-734-9388
アクセス