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31サイエンスカフェ前川淳「広がる折り紙の世界」20190712

サイエンスカフェ前川淳「広がる折り紙の世界」20190712

 

令和元年7月12日に国立天文台の前川淳先生をお迎えして、サイエンスカフェ「広がる折り紙の世界」を行いました。

折り紙という身近なテーマのため、生徒89名のほか、保護者、教員などあわせて112名が参加しました。

前川先生は野辺山にある国立天文台で、天文学者が使う解析プログラムの作成をしており、折り紙は趣味として慣れ親しんでいたということですが、現在のお仕事の電波望遠鏡などにもその原理が応用されているという話に生徒たちもどんどん引き込まれていきました。
 

折ることは幾何学的な操作であり、そこには数学がひそんでいる。折り紙が幾何学の直観的理解の助けになること。ORIGAMIがさまざまな分野の研究としておこなわれている。折り紙に注目し、それを窓にして、文系理系を超えて知見を広げることができること。などについて具体例をあげて、1つ1つ説明してくださいました。

ただお話を聞くだけでなく、実際にルールにしたがって折り紙を折って、楕円や放物線をつくったり、折り紙の3等分を簡単につくったり、放物線とカテナリー(懸垂線)は異なることを実際に紐を使って確認したりするなど、興味深い体験をすることができました。
 

前川先生は、大学生のときに自分が折りたいものの折れ線図をつくるという、誰もやったことのない方法で折り方を解析したということですが、そのことも現在の様々な分野における数理的研究に活かされているのではないかと感じました。
そのときの代表的な作品が悪魔(写真)です。
 

以下の生徒の感想からもわかるように、タイトル通り、折り紙から広がる世界を肌で感じることができたサイエンスカフェとなりました。

(生徒の感想より)
オリガミと宇宙との関係性が意外で面白かった。少し難しかったけれど、様々な曲線を利用して望遠鏡やアンテナをつくっているのはすごいと思う。また、一見関連のなさそうな学問との関連性があったことに驚いた。オリガミの無限の可能性をみせていただいたように思う。(1年生)

今までは、折り紙は直線だけで曲線は作れないものだと思っていたのですが、折ることで放物線や楕円を作図でき、それらが様々なことに利用されていることがわかりました。個人的には無理数を折り紙で表現するというのが興味深かったです。無理数は漠然としていてイメージしづらいのですが、形になって見えると感覚でつかめるので、とてもわかりやすいと思いました。(3年生)

今回は貴重なお話、ありがとうございました。私は前回の芳賀先生のお話も聞いたのですが、折り紙は遊ぶためのものだと思っていたのが、2回のお話を通して、今後の日本の科学の発展にとってとても大事なものだと思いました。3等分をつくるといっても何通りもの方法があって、これからもどんどん新しい方法が出てくるのが楽しみですが、自分でも考えてみたいと思いました。また、天文学のお話も聞けて、とても興味深かったです。ありがとうございました。(4年生)
 
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