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【SSH】SSH生徒研究成果発表会20181123

平成30年度東京都立小石川中等教育学校 

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒研究成果発表会を行いました20181123

 
本校は生徒の「課題発見力、創造的思考力、継続的実践力の育成」を目指し、学校設定科目小石川フィロソフィーを設置するとともに、理科・数学科・情報科を中心としたオープン・ラボ海外研修プログラム等、様々な取組を行っております。これらSSH事業を通じての生徒の成果発表の機会として、11月23日(金)にSSH生徒研究成果発表会を行いました。

~今年度の発表者及び発表概要~
(1)Robo Cup Junior 世界大会参加報告 【4年 篠川、鴨田、佐藤、山本/SKY Crew(物理研究会)】
《概要》私たちチームSKY Crewは2年前から毎年、RoboCup Juniorという大会に出場しています。昨年度はRescue Lineという、線をたどり被災者を救助する競技で世界3位、今年度は Soccer Lightweight という、2台のロボットでサッカーをする競技で世界5位を獲得しました。この発表では、私たちがこれまで制作してきたロボット達と開発してきた技術の一端を紹介します。



(2)平面的に成長するスズ樹の研究 【4年 萩原、口石、輿石/化学分野の研究(小石川フィロソフィー4)】
《概要》塩化スズ(2)の溶液にイオン化傾向がより大きな亜鉛の金属片を入れると、金属の電位差によりスズ樹が作製される。この結晶が直線的になったり曲がったりするのはなぜか興味をもち、研究を行った。
(実験の概要)
 塩化スズ(2)溶液の作成 / スズ樹面積の比較 / 電位差の測定 / 巨大スズ樹の作成
(全体の結論)
・塩化スズ(2)溶液の濃度が小さいスズ樹の面積は大きく、また温度が高い程スズ樹の面積は大きくなる。
・電位差が小さい程スズ樹の面積は大きく、電位差が大きい程スズ樹の面積は小さくなる。
・とろみの割合は大きさではなく形に影響を及ぼす。とろみの電位差は関係なし。
・面積が同じでも広がり方に違いが見られることがある。
・基本的にスズ樹には直角に成長する性質が見られる。



(3)カメの採餌行動についての考察 【4年 川端/生物学研究(小石川フィロソフィー4)】
《概要》本校で飼育されているクサガメに給餌を行っていたところ、クサガメが人の指を食べようとしたことがあった。また、エサをクサガメのすぐ近くに置いても食べない時もあれば、遠くにおいても移動してエサを食べることもあった。これらの観察を通して、クサガメがどのようにエサを認識し、食べているのかに疑問をもつようになった。まず、クサガメがエサを採る際に特定の行動パターンが存在するか、存在するのであればそれはどのようなものであるかを調べた。本研究では、給餌の条件を様々に変更し、各条件下でのクサガメの反応を観察するという手法をとっている。行動パターンの分析は、各条件下でのクサガメのエサに対する反応の有無や強度、種類等を評価するための基準を設定するために行ったものである。続いて、視覚や嗅覚を刺激する要素を変化させ、様々な条件で実験を行い、カメがどのようにエサを認識しているかを考察した。これらの実験により、クサガメはエサを食べる直前に特定の行動パターンを示すことが分かった。また、視覚と嗅覚のそれぞれが採餌行動に関わっていることが示唆された。



(4-1)小石川と糸魚川・戸隠を結ぶ大地と生命について
 【4年 柳川、2年 本田、奥田、齊藤、福田/小石川と糸魚川・戸隠を結ぶ大地と生命 参加者代表】
《概要》今年の8月22日から24日までの2泊3日で行われた地学の野外巡検についての報告を行います。応募した1年から5年までの20名が参加し、フォッサマグナミュージアムの見学やリニューアルされた糸魚川―静岡構造線の観察、古生代ペルム紀の石灰岩中の化石の採集。方解石の採集。中生代ジュラ紀の泥岩中の化石の採集。ひすいの採集、戸隠地質化石館の見学、めのうの採集、大露頭の地層の観察、植物の観察などを行いました。戸隠にある財団法人紫友会所有の小石川の土地にも行き、植物の観察をしてきました。今回は、これらの巡検の成果について報告します。

(4-2)皆既月食とペルセウス座流星群について 【4年 上林、朱/天文研究会】
《概要》今年の1月31日に観測した皆既月食については、過去に小石川で観測した月食との明るさの比較を行いました。また、今年から合宿のキャンプ場を長野県下伊那郡阿智村浪合にある銀河もみじキャンプ場に変更しました。8月12日に極大となるペルセウス座流星群を観測しました。天候にも恵まれ、一晩に163個の流星を観測することができました。空が暗い場所では、ペルセウス座流星群以外の他の流星群に属する流星や流星群に属さない散在流星も観測することができました。



(5)多段螺旋折り~折り紙で正多角形を折る~ 【5年 吉田/純粋数学(小石川フィロソフィー4)】
《概要》私のテーマは、タイトル通り、折り紙で正多角形を折る、という内容だ。これは、幼少期から慣れ親しんできた四角形の折り紙を、正多角形にすることは出来ないだろうか、という素朴な疑問から生まれた物だ。今回研究を行うにあたって、『多段螺旋折り』という、私が独自に発意した方法を用いた。この折り方は、自分が過去に折り方を考案し、制作した作品から考え出した物である。これを用い、実際にいくつかの正多角形を制作する検証を行い、帰納的に一般化を行ったのち、演繹的にその式が正しいことを証明した。前述の通り、独自のテーマだったため、先行研究等が存在せず、自分でひも解いていく、やりがいのある研究となった。



(6)創作展 WEB抽選システムの構築 【3年 安藤/物理研究会】
《概要》今年度、創作展においてwebを用いた抽選のシステムを導入することになった。その抽選システムの構築のために物理研究会のメンバーを中心としてチームを作り、作業を行ってきた。抽選システムがどのような仕組みで動いているのか、またそこで起こったトラブルの原因などについて報告する。



(7)SSH英国ウェールズ海外研修 【5年 久保、山田 4年 太田、堀合/SSH英国ウェールズ海外研修・研修生】
《概要》 今回の海外研修では、8月4日から8月14日までの10日間、本校5年生5人・4年生5人がカーディフ大学(イギリス/ウェールズ)にお世話になりました。カーディフ大学では、様々な教授の先生方から、物理・生物・化学・地学に関する、最新の専門的な研究内容を教えていただきました。また、私たち研修生10人も、各分野の教授や大学院生の方々に対して、小石川フィロソフィー等を通して研究した内容について発表を行い、自分たちの研究について一層理解を深めることができました。また、PanasonicやSONYといった、日本企業のイギリスにおける拠点を訪問し、海外でビジネスを展開することのメリットやデメリット、海外での生活の実際について学びました。海外で働くとはどういうことなのかを具体的に考えることができる、貴重な機会になりました。研修最終日にはロンドン市内見学も行いました。多くのことを学ぶことができ、充実した研修となりました。
 

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