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29 東京都立小石川中等教育学校スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒成果発表会が行われました

 

平成29年度東京都立小石川中等教育学校 

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒成果発表会が11月25日(土)に行われました

 
 本校では、母体校である都立小石川高等学校における平成18年度から第1期SSH指定に続き、平成23年度から都立小石川中等教育学校として第2期SSH指定を受けておりました。そして、今年度から第3期SSH指定を受け、「高度な理数系カリキュラムと課題探究型学習の実践及びその評価法を行う「小石川グローバルサイエンスシステム」を通した世界に羽ばたく科学的人材の育成」を研究主題としてSSH事業を推進しております。そのため本校では、学校設定科目「小石川フィロソフィー」を設置するとともに、理科・数学科・情報科を中心とした「オープン・ラボ」、オーストラリア理数系授業参加プログラム等、様々な取組を行っております。
 これらSSH研究の成果発表の機会として、SSH生徒成果発表会を11月25日(土)に実施、8組が研究成果を発表しました。限られた時間の中ではありましたが、各発表後には多くの質問があがりました。

~当日の発表(者)団体及び発表概要~

1 (物理分野)ヒューマノイドロボットと歩行学習 4年
 私たちは1年生の頃から自作のヒューマノイドロボットをつくり、歩かせ、その様々な情報を公開してきた。今回、多数の試行が必要な二足歩行を成功させるために、プログラムを自動化することを考え、歩行モーションを自動で作成するシステムの開発に取り掛かった。今回の発表では、これまでに開発した自作ヒューマノイドロボット”YamaX”の工夫点と、現在開発中のシミュレーションによって二足歩行を自動で学習させるシステムを紹介した。

 
2(化学分野)スライムを用いた偏光フィルムの製作 5年
 これまでの研究で、スライムを乾燥させてPVAフィルムをつくり、これをヨウ素液中で染色、延伸することで偏光フィルムを製作できた。また、直行時、平行時の照度を計測することで偏光性能を数値化する手法を確立した。今年度は、延伸工程を膨潤、染色、架橋の3ステップに分け、それぞれの条件を検討することで性能の良い偏光フィルムを製作することを目指した。研究の結果、スライムから偏光度90%を超える偏光フィルムを製作することができた。

 
3(生物分野)カラスウリの種子のユニークな形態と、その生物学的意味の考察 4年
 カラスウリはウリ科の植物で、果実中には黒褐色の種子があり、これらはカマキリの頭の様な不思議な形状をしている。他のウリ科の植物の多くがスイカの種子のような平たい紡錘形の種子をつくるのに対して、なぜ他のウリ科の植物と異なるユニークな形態をしているのか。この点に興味をもち、カラスウリの種子形態の生物学的な意味に迫ることを目的として本研究を開始した。本研究では、まずカラスウリの種子と他のウリ科の植物の種子を観察・比較し、その外見や内部構造の違いを調べた。また、カラスウリの種子の側室(カマキリの両眼に当たる部分)の内部の様子から、「側室は水を蓄える役割があるのではないか」という仮説の元、側室から主室(胚のある部分)に向かって水が浸透するかどうかを調べる実験等を行った。本発表では、現在までに得られた観察・実験の結果と考察を報告した。

 
4(地学分野)赤羽自然観察公園の湧水について 4年
 私は、北区赤羽自然観察公園の中で湧きだしている湧水について、その流量を計測した。赤羽の湧水は東京の名湧水57選にも選ばれており、湧水量の多い湧水である。これまで、2年間にわたって先輩方が取り組んできたが、3年目となる今年は計測方法の見直しを行い、前年度までの浮子法から新たに三角せき法に変更、より正確に計測を行えるようにした。また、降水量と湧水量との関係について調べるため、近くの岩淵水門の降水データと流量の比較を行った。

 (地学分野)「柳の井戸」の湧水について 4年
 研究テーマを探していたとき、港区元麻布にある「柳の井戸」を思い出した。今まで興味を持っていなかったが、調べてみると関東大震災などのときに多くの都民を救い、東京の名湧水57選にも認定されている湧水であることがわかった。親近感を抱いた私はこの研究で、湧水量や水温を測定し、その変化と気象条件との関連性を探ることにした。

 
5(数学分野)「守ろう 伝統工芸」(東京都グラフコンクール出品作品) 2年
 日本の伝統工芸品について,小学校での授業や体験ワークショップなどで知識としては知っているが,興味をもっていたり,実際に持っていたりする人は少ない。日本の伝統工芸品を広め,素晴らしさを認めてもらうために,私たちがすべきことは何か。日本の伝統工芸が抱える課題を,グラフを用いて定量的に分析することにより,今後,私たちにできる解決方法を考察し,提示した。

 
6(情報分野)プログラミング言語scopion 4年
 プログラミングは楽しい反面、様々な煩雑さも伴っている。これはプログラミングをわかりにくく、時には面倒なものにしてしまっている。そこで、「関数型プログラミング」などのトレンドも踏まえ、自分が煩雑だと思った点を解消した新たなプログラミング言語を制作した。シンプルな文法を保ちながらも、オブジェクト指向や遅延評価など高度な機能を備えた今までにないプログラミング言語に仕上げた。文法の解析と意味の解析を完全に分離することで内部構造をシンプルに保ったまま機能を追加していけるようにし、開発の効率化を図った。またLLVMを中間表現に採用することで高度な最適化を可能にした。さらにWEBサイトを制作しインストールすることなくどんな端末からも手軽に試すことができるようにした。

 
7(SSHオーストラリア海外研修)研修報告 4年
 We went on the Science Study Tour for 2 weeks this summer from 6 th to 18th August at Glenunga International High School in Adelaide, Australia. We attended mainly science classes of The International Baccalaureate Diploma Programme (IBDP). This year, each of us had a lot of buddies, and attended lessons, such as Math, Physics, Chemistry, Biology and English, together with them.   Also we went on some excursion, visiting the University of South Australia and the South Australian Museum to conduct some experiments. These experiences became great memories for all of us, and we gained a sense of fulfillment from them. We’d like to introduce this tour.
 
8(SSH香港海外件研修)研修報告 5年
 From July 31st to August 4th, we went to Hong Kong and joined the program of Poly U (The Hong Kong Polytechnic University) for 3 days. Two of us took part in the“Design of an Intelligent Vehicle Project”and three of us did in the“Stair Climbing Robot Project”. We built teams with 4-5 local and overseas students from Hong Kong, Thailand, Mongolia, Indonesia and Japan altogether and tried each project.
Each team made a robot for 3 days. On the last day of the project, we competed to see how fast each robot could run the test course prepared. Then the team who developed the fastest robot made a presentation to introduce it, and shared what they did and learned.
Through this program, we got to know the way of designing and programming robots. Also we learned how to apply newer technologies to our society by visiting some scientific facilities. In addition, we talked with people from various backgrounds in English, both in the university and towns. These experiences helped us a lot to understand the importance of science, engineering and global communication.
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