東京都立葛飾野高等学校(全日制課程)いじめ防止基本方針
平成26年10月31日
校 長 決 定
1 いじめ問題への基本的な考え方
いじめは,いじめを受けた生徒の心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず,その生命又は身体にも重大な危険を生じさせるおそれがある。また、教育を受ける権利を著しく侵害し,重大な人権侵害でもある。
本校では,全ての生徒がいじめを行わず,いじめを認識しながらこれを放置することがないようにいじめ解決に向けた行動を促す指導をする。さらに,いじめはいじめられた生徒の心身に深刻な影響を及ぼす許されない行為であることを生徒が十分に理解できるよう、常に教育活動全般において生命や人権を大切にする教育を実践し、学校は一丸となって保護者・地域・関係機関と連携を図りながら、生徒のすこやかな発達・成長を支援する指導の徹底を図る。
2 学校及び教職員の責務
すべての生徒が安心して学習やその他の活動に取り組むことができるように、保護者、他の関係機関等との
連携を図りながら、学校全体でいじめの防止と早期発見に取り組む。
いじめが疑われる場合は、適切かつ迅速に対処し、その再発防止に努める。
とくに次の3点について徹底する。
(1)いじめはどの生徒にも起こりうる。そのため、日常的に生徒の行動を注視・把握し、いじめは絶対に許されないという雰囲気・環境を作り出す。
(2)いじめの未然防止のために、生徒が主体的に参加できる授業や集団づくり等を行い,教育活動全般において、生徒の自己有用感・自己肯定感が高められる学校づくりを行う。
(3)いじめの早期発見のために,ささいな兆候であっても,組織的に実態や状況を適切に把握・認知し、いじめの報告を受けた場合には組織的に被害生徒を守り,加害生徒に毅然とした態度で指導を行う。
3 いじめ防止等のための組織
(1)学校いじめ対策委員会
ア 設置の目的
いじめの防止を実効的に行うための組織として「学校いじめ対策委員会」を設置する。
イ 所掌事項
○いじめの未然防止や早期発見に関すること。
○いじめ事案への対応に関すること。
○いじめの相談の受け入れ窓口の運営に関すること。
○教職員研修の企画、立案に関すること。
○いじめ防止への取組・いじめ事案への対応等の検証に関すること。
ウ 会議
各学期1回を原則とし、いじめ事案発生時は緊急開催とする。重大事態が発生した場合には、校長は「学校いじめ対策委員会」の下に、調査組織を設け、当該重大事態に係わる事実関係を明確にするための調査を行う。
エ 委員構成
委員会は委員長、副委員長及び委員をもって構成する。委員長は校長、副委員長は副校長をもって充てる。委員は、学校運営連絡協議会の内部委員並びに協議委員、スクールカウンセラー、その他校長が必要と認める者を充てる。
(2)学校サポートチーム
ア 設置の目的
学校サポートチームは、問題行動への効果的な対応と未然防止を図るために、学校、家庭、地域、関係機関が一体となった取組を進めるために設置する。
イ 所掌事項
「学校いじめ対策委員会」の支援に関すること。
ウ 会議
原則として年2回。また必要に応じて適宜開催する。
エ 委員構成
委員会は委員長、副委員長及び委員をもって構成する。委員長は校長、副委員長は副校長をもって充てる。委員は、校長、副校長、主幹教諭、主任教諭、教諭、保護者、警察署職員、その他校長が必要と認める者を充てる。
4 段階に応じた具体的な取組
(1)未然防止のための取組
ア 「いじめは絶対に許されない」という雰囲気を学校全体に醸成する。
イ 道徳教育や人権教育の充実、読書活動・体験活動などの推進等による、いじめに向かわない態度・能力の育成を図る。
ウ 生徒自らがいじめについて学び、主体的に考え、児童・生徒自身がいじめの防止を訴えるような取組を推進する。
エ 校内研修の充実等を通じた教職員の資質の向上を図る。
オ 生徒及び保護者を対象としたいじめ(ネット上のいじめも含む。)防止のため啓発活動を推進する。
カ 家庭訪問や学校通信などを通じた家庭との緊密な連携・協力を行う。
(2)早期発見のための取組
ア 定期的なアンケート調査や教育相談の実施等による早期のいじめの実態把握と生徒がいじめを訴えやすい体制を整備する。
イ 保健室や相談室等の利用等による相談体制を整備する。
ウ 教職員全体によるいじめに関する情報を共有する。
(3)早期対応のための取組
ア いじめを発見した場合に、速やかな組織対応を行う。
イ いじめられた生徒や、いじめを知らせてきた生徒の安全を確保する。
ウ いじめられた生徒が落ち着いて教育を受けられる環境を確保する。
エ 教育的配慮の下、毅然とした態度によるいじめた生徒への指導を行う。
オ いじめを見ていた生徒が自分の問題として捉えられるようにする指導を行う。
カ 保護者への支援・助言を行う。
キ 保護者会の開催などによる保護者との情報共有を行う。
ク 関係機関や専門家等と相談・連携する。
ケ いじめが犯罪行為として取り扱われる懸念がある事案については、警察と相談する。
(4)重大事態への対処
ア いじめられた生徒の安全を確保する。
イ いじめられた生徒が落ち着いて教育を受けられる環境を確保する。
ウ 関係機関や専門家等と相談・連携する。
エ いじめが犯罪行為として取り扱われるべきと認められる事案については、警察と連携する。
オ 重大事態に係る事実関係を明確にするための調査の実施、又は教育委員会が行う調査へ協力する。
カ 重大事態発生について、速やかに教育委員会へ報告する。
5 教職員研修計画
いじめの未然防止、早期発見、インターネットを通じて行われるいじめへの対応など、いじめについての教職員の共通理解、指導力と対応力の向上を図るために,全教職員対象の校内研修を実施する。
(1)いじめの未然防止,早期発見,早期対応等に向けた技能の習得,向上を図るため、カウンセリング理論とその演習等の実践的な内容をもった研修を行う。
(2)具体的な対応方法について理解を深め,いじめ対応への実践力向上を図る事例研究を行う。
(3)インターネットを通じて行われるいじめに対応するため,関連する多くの校外における研修会に参加し、対応策等を校内の教職員に還元する。
6 保護者との連携及び啓発の推進に関する方策
(1)学校のホームページや保護者が参加する行事、さらには個別面談において,「いじめ防止基本方針」等について保護者に説明するとともに協力を依頼し,連携した対応等を行う。
(2)年間を通じて、クラス保護者会等において個別相談を随時受け付けることを周知するとともに、個別面談時に必ずいじめの有無等について確認を行う。
(3)スクールカウンセラーを年度当初の保護者会で紹介し、いじめに係わる保護者(被害者または加害者)との情報共有やいじめ問題への対応を行う。
(4)PTA役員の集まりを活用し、いじめ防止対策等に関する情報を提供するとともに、保護者からの情報提供等の連携を図り、適切な対応を行う。
7 地域及び関係機関や団体等との連携推進の方策
(1)学校だけの対応では問題を解消することが困難であると判断した場合(犯罪的行為等が疑われる場合)には、学校サポートチーム・スクールサポーター等を通じて、児童相談所や警察等と情報を共有し、適切な対応を図る。
(2)校外における生徒の状況を的確に把握するため,日頃から民生委員や青少年相談員、地域住民等と連絡を取り合い、いじめが起こった場合,必要に応じて,協力を得て対応する。
(3)他の学校や社会教育関係団体等,学校以外の場で起きたいじめの連絡を受けた場合,その団体等の責任者や,生徒が在籍する学校と連携して対応する。また、いじめに関係する生徒が複数の学校に及ぶ等の場合,関係する学校と連携していじめの問題に対応する。
8 学校評価及び基本方針改善のための計画
いじめの実態把握及びいじめに対する措置を適切に行うため,6項目に関する評価規準を本校の学校評価項目に加え,学校運営連絡協議会を活用して、学校評価アンケートにより、いじめ防止対策に関する学校内外の評価を受け、いじめ防止対策の取組を評価する。
(評価項目)
(1)未然防止の評価 (2)早期発見の評価 (3)早期対応の評価
(4)関係機関との連携評価 (5)教職員研修の評価
(6)保護者との連携及び啓発の推進に関する評価
評価結果を基に,「いじめ防止基本方針」について見直しを行い,より迅速かつ適切ないじめの防止等への対応について検討し、次年度の目標設定や年間計画等の改善を図り,いじめ問題への総合的な改善を図る。