農業クラブ活動報告:本校生徒が意見発表会で最優秀賞に!

2020/12/24

2020/12/24

本校生徒が意見発表会で最優秀賞に!

「がんばれ規格外野菜」という題名で、本校生徒が、令和2年度 東京都学校農業クラブ連盟 意見発表会Ⅰ類で、最優秀賞に輝きました。

以下、その文章を掲載します。

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がんばれ規格外野菜

東京都立園芸高等学校 園芸科 3年 及川

 形が悪い、色が悪い。見た目の悪い野菜は品質的には全く問題がないのにも関わらず、市場で定められた規格があり、品質チェックでクリアしないものは全て廃棄処分にされる。そんな「規格外品」の野菜の量は、年間百五十万トン以上。この「もったいない」事態を解消するにはどうしたら良いのだろうか。

 神奈川県のある農家では農薬の使用を極力避け、有機質肥料を使用した野菜を栽培し、そうした中で出た規格外の野菜を直売所で販売している。それでも見た目のきれいな物から売れていく。自分だって美しい野菜を作りたいし、買いたいと生産者は言う。ただ、野菜は生き物。例えばピーマンの様に劣化ではなく熟して赤みを帯びるものや、キャベツの様に収穫のタイミングで雨が降ったりするとヒビが入るものもある。ブロッコリーは収穫から店頭に並ぶまでに開花し、規格外となることもあり、そこを理解してほしいと話す。有機栽培や無農薬野菜と聞くと、とても良いイメージだが、規格外野菜を大量に生むリスクも高い。その「もったいない」を解消するには今の物流を改善させる必要もあるのではないだろうか。ただ、形の良い野菜ばかりを出荷するのは、流通の合理化や出荷の簡素化を図るなど、コストを考えてのこともあるので難しい。例えば同じ箱に曲がったキュウリばかりを詰めるのと、まっすぐなキュウリを詰めるのでは、まっすぐな方が多く詰められる。生産者もせっかく作った作物は、多く売りたいのが当たり前だろう。

 では私たち消費者はどうだろうか。人は、美しい物は価値が高いと思う傾向があり、美しく、優れた物を所有することで心の満足感を得ている。この様な消費者のエゴが大きく関わってしまい、この現状を生み出したとも考えられる。きれいな野菜は味も良く、調理するにも盛り付けするにも、見た目が良いに越したことはない。スーパーに並んでいる野菜を買うだけの消費者に理解を求めるのは難しい。同じ畑で同じ太陽の光を浴び、同じ水を吸い上げて育っている野菜に違いはないのに。私自身、普通に店頭で販売されている野菜を見て、今までは何も思わなかったが授業で野菜を育てていく中で、味や見た目の価値観の前に、この野菜はどの様に育ってきたのだろうかなどと思う様になった。野菜の育ち方は人間と同じで二つとして同じものはない。色や形が少し変わっていてもそれは個性なのだ。    

 私の住む町に「子ども食堂」という、地域の子供などを対象に食事を提供するコミュニティ活動があることを知った。子ども食堂は近年、全国に広がりつつあるが、運営費の確保が難しい事が問題と言われている。ならばここで規格外野菜の出番ではないだろうか。廃棄されるのであれば、農家や市場と連携を取り、格安で卸してもらう。そして、調理前の野菜を見る、形が悪くても美味しく食べられるなど、学校では教えてもらえない食の学びの場を提案してみたい。

 私は規格外野菜について調べているうちに、廃棄するはずの大根をアイデア一つで商品にしたというインターネット投稿を見つけた。この投稿をしたのは、北海道で農業を営む農家だ。以前に大根が二股に分かれてしまい、「走る大根」と名付けられた画像が出回った事があったが、この農家はその様ないくつにも分かれて成長してしまった大根を一本一本ビニール袋に入れ、その際に大根の形に合わせて目や口など、表情豊かに顔を描いて販売したのだ。笑った顔や泣いた顔、誰もが見たら規格外野菜ということを忘れ、手にしてしまうだろう。遊び心を取り入れて、廃棄するはずだった大根を簡単に生まれ変わらせた。本来の規格外野菜に付加価値を加えることによって消費者の概念を覆す、この様な試みはとても素晴らしいと思った。

 私の通う学校には、校内で収穫した作物の直売所があり、形よく育った野菜などを袋詰めにし、販売している。もちろん直売所で単に形の悪い野菜を売ることも可能だが、それでは安く売るだけになってしまう。そこで、形の悪い野菜が採れたときは何か別のものに例えてみる。「ゾウみたいなピーマンが出来ました」など、ホームページで楽しく紹介し、これを直売所で販売することをアピールする。自分が買った袋詰めの中に変な形の野菜が入っていたらラッキーと思える、お楽しみ袋感覚で購入する側も楽しんでもらう。また、形の悪い野菜は逆に毎日採れるわけではないので、それが付加価値となり、この試みが浸透すれば、あえて形の悪い野菜が入っているものを買いたいと思う。この様な工夫で規格外野菜の見方を変え、廃棄削減につながる小さな一歩を踏み出したい。